昨年末、年賀状の宛名書きには万年筆がいいかな〜!との思いで手にした万年筆。その書き味とインクの奥深さに魅せられ、いつの間にか毎日使う万年筆選びをしていました。会社の手帳用とメモ書きにも使える細字万年筆にこだわり、かつ3,000円以下で購入できる入門万年筆をまとめました。(初心者は5Kとか買えないので。)
Fと言いながら、線幅がどの位なのかを示したサイトが無いので、実際に同じ用紙に書いて細さの度数を★の数で表しました。ペン芯とインクメーカーの関係やインクの粘度に影響すると思いますが、その辺は素人採点ですので適当に判断ください。
パイロットコーポレーション(PILOT)
Vペン 細字 (黒、青、赤の3色、定価:210円)
万年筆タイプのサインペン。使い捨てタイプでカートリッジ交換が出来ない。フローが滑らかなので、手軽に万年筆のペンを味わえる。
【細字度:★☆☆☆☆】プレピーと同等か、太目。
ペン習字ペン ノンカラー EF(極細) (黒、透明の2色、定価:525円)
グリップが三角で正しい握りができる。コンバーターも可。スクリューキャップ。プレラと同じニブながら、プレラにはないEFが選べるのが魅力。
【細字度:★★★★★】間違いなく、最強の細字が書けるニブです。プレラ互換。
ニューヤングレックス F(細字) (軸カラー2色(黒/赤)、定価:3,150円)
軸は樹脂性のスマートな細身ながら、ゴールドの装飾はシンプルで美しい。書きやすいが、コンバーターは、CON-20のみ適用なのが残念。
【細字度:★★★★☆】見るからに細字が書けるニブで、文句なしの細字です。
PRERA(プレラ) F(細字) (軸カラー9色、定価:3,150円)
軸カラーが現代向けのカラーで選ぶのも楽しい。太軸でショートタイプの入門用万年筆。キャップの閉まり具合は一級品、鉄ニブの書き易さも太鼓判。
【細字度:★★★★☆】コクーン同様、細字です。ニブは硬いがフロー良しで細字が書ける。
プレラ 色彩逢い iro-ai F(細字) (透明軸7色、定価:3,675円)
コンバーター(CON-50)を付属しており、色彩雫(iro-shizuku)のインクを楽しむ商品。プレラと同じ軸をスケルトンにし、7色のワンポイントが爽やか。ニブも共通。
【細字度:★★★★☆】プレラと同じニブなので、細字が書ける。優秀です。
cocoon(コクーン) F(細字) (軸カラー5色、定価:3,150円)
真ちゅうの軸はメタリック系で美しい仕上がり。ブラックは品揃え無し。プレラと同じニブらしいが、ニブデザインも書き味も滑らかで、コスとパフォーマンスは最高。
【細字度:★★★★☆】書き味は一級品で、線幅もFの表示に偽りなし。お勧め度は一番。
ROISSY(ロワシー) F(細字) (軸3色、定価:5,250円、廃盤品)
飾りリングにフランス国旗のトリコロールカラーをあしらい、おしゃれな1本。(ヤフオクで入手)軸が樹脂製で軽いが、コンバーターを挿すことでバランスも良くなる。
【細字度:★★★☆☆】ニブは特殊合金のゴールドで、スイスイ滑るように書けるが、若干太い。
Cavalier(カヴァリエ) F(細字) (軸はマーブル4色、定価:5,250円)
細身の軸と言えば、このカヴァリエ。控えめなマーブルカラーの軸はとても美しい仕上がり。ニブも細字でなめらか。このスリムな胴軸にCON-50が刺さるので、手帳用に最適。
【細字度:★★★★☆】ニブは特殊合金のゴールドで、ニューヤングレックスと同じもの。
Lucina(ルシーナ) F(細字) (軸は原色系4色、定価:5,250円)
オーソドックスな葉巻型の太軸万年筆。クリップの丸い玉がチャームポイント。重厚感はないものの、スクリュー式のキャップなので書く際、指の当り具合が良いので長時間書いていても疲れない。
【細字度:★★★★☆】ニブは特殊合金のゴールドで、プレラ/コクーンとは異なる形状。PILOTのFはフローも良し、字幅も安定している。
CUSTOM 74 SF(軟細字)<参考> (ダーク系4色、定価:10,500円)
ショップで入門用金ペンとして必ず薦められるのがこのカスタム74。当ページで敢えて1万円の金ペンを紹介する理由は、鉄ペンにないなめらかな書き味に尽きる。これが"The 万年筆"の書き味です。CON-70が使えるのも魅力。流通量が多いのでオークションで4KでGetできます。
【細字度:★★★☆☆】字幅はSFですが14Kのしなり具合のため鉄ペンより多少太字。フローも書き味も最高で、手放せない1本。
プラチナ萬年筆(PLATINUM)
Preppy 70年代デッドストック品 MF(中細字) (軸カラー6色、定価:840円)
現行プレピーの旧型モデル。840円。現行プレピーより、断然おしゃれ。POPなカラーにマットブラックのキャップで、キュート。カラーインクを入れるのに最適。
【細字度:★★☆☆☆】MFなので細字ではありません。
preppy(プレピー) 0.3(細字) (クリップカラー7色、定価:210円)
透明軸でボールペンから乗り換え、手軽に万年筆の書き味が味わえる。200円は安い。インナーキャップ(スリップシール機構)で1年間乾かない上級仕様。キャップが割れやすい。
【細字度:★☆☆☆☆】0.3でも細い字が書けるわけではなく、やや太めの線幅です。
preppy プレピー デモンストレーター(参考出品) (当然、210円)
透明軸のプレピーのプリント部を消しただけの、なんちゃってデモンストレーター。蛍光インクを入れたり、コンバーター付けたり、こういう遊び心があってもいいでしょ。
【細字度:★☆☆☆☆】プレピーと同じ。
デスクペン DPQ-700A 極細 (軸は黒/赤、定価:735円)
ホテルのフロントなどで見かけるデスクペン。スリップシール機構で1年使用しなくてもすぐ書ける。この価格でも、鉄ニブに金メッキ(?)してあるので、高級感も味わえる。字幅表記は無し。
【細字度:★★★★★】極細らしく、細いカリっとした字が書ける。プレピー/プレジール互換。
Plaisir(プレジール) 0.3(細字) (軸カラー7色、定価:1,050円)
プレピーの首軸に、アルミの胴軸で高級感を出している。ニブはプレピーと共通の塗装ニブ。アルミのアルマイト加工が美しいので、会社でも使用に耐える。
【細字度:★☆☆☆☆】プレピーと同じニブなので、細字ではない。
バランス #5 シャインクリスタル 細字(細) PGB-3000A (スケルトンの3色、3,150円)
若い人にも定番バランスの魅力を知って貰おうと、スケルトンボディで登場。軸バランスの良さは、上位モデル同様。鉄ニブながら本格的万年筆を味わえ、細字の極め。
【細字度:★★★★★】このニブは、書き味がしなやかな上、細字でGood。超お勧め。
バランス #1 ブラック 細字(細) PGB-3000 (軸カラー4色、3,150円)
太目の黒軸のゴールドの飾りリングにクリップ、金メッキのニブを装着して、軸バランスはピカ一。3Kで買える国産唯一のオーソドックスなスタイルの万年筆は、この軸のみで貴重なペン。
【細字度:★★★☆☆】#5シャインクリスタルと同じニブですが、インクを変えても中細字程度。
セーラー万年筆(SAILOR)
ハイエース F(細字) (廃盤モデル、定価:1,050円)
シルバーのステンレス×黒の樹脂で、しっかりした造りの細軸万年筆。鉄ペンながら、スムーズな書き味と細字は、国内外を含めても最高との評価を得ている。
【細字度:★★★★☆】鉄ニブらしい堅さで、きっちりした細字。
ハイエース ネオ F(細字) (軸カラー5色、定価:1,050円)
キャップをアルミに変更し軽量化したが、クリップ以外のデザインはそのまま継承した。ニブも旧モデルを継承し、安定した書き味はバツグン。細字はハイエースネオと評判通り。
【細字度:★★★★☆】ハイエースネオは、1,000円万年筆で一番のお勧め。
ハイエース ネオ スケルトン F(細字) (通販限定、定価:1,050円)
胴軸をやや曇った透明樹脂に変更した、通販限定モデル。インクカラーを楽しめる、お気軽スケルトン万年筆。よりカジュアルになってお勧め。
【細字度:★★★★☆】スケルトンも同様、お勧め出来る。
プロフィットジュニア スケルトン MF(中細字) (透明軸、定価:2,100円)
セーラーの傑作「プロフィット」のフォルムそのままに、スケルトンにした。ニブにイカリマーク、キャップはスクリュー式、シルバートリム、お手軽価格の本格万年筆。
【細字度:★★★☆☆】MFながら、ジェントルインクの滑らかな細字が味わえる。
ヤングプロフィット F(細字) (カラーは黒/赤の2色、定価:5,250円)
万年筆を始めて使う若者向けの位置づけ。黒軸にゴールドクリップでシンプルなストレート基調のデザインで、プロフィットの葉巻型のような重厚さはない。IPゴールド仕上げのニブで優雅、勘合式キャップは会社使いには便利。
【細字度:★★★★★】F(細字)の中では、日本メーカーの中でも最も細字。青墨との相性もバッチリで細字派にはお勧め。
オート万年筆(OHTO)
F-SPIRIT FF-10F (細字) (黒軸+飾りがシルバー/ゴールド、定価:1,050円)
レトロの中に新しさがある。アルミ軸でうまく出来ている。キャップの閉まり具合がぎくしゃくして品質は今一歩。シュミットニブの字幅も太め。
【細字度:★☆☆☆☆】中字です。フローが良いので宛名書きには最適。
Dude(デュード) ブルー FF-15DD(細字) (廃盤、定価:1,575円)
軸が六角形をした珍しいデザインで、きらめく塗装も綺麗。オートしか出来ない独創性です。ほどほどの重さがあり、男の万年筆を感じる。F-SPIRITと同じシュミットニブで字幅も太い。
【細字度:★★☆☆☆】ニブに線幅表示がないが、細字ではない。
プラウド FF-15F F(細字) (黒軸/グレー、飾り:ゴールド、定価:1,575円)
オートはオーソドックスな軸が多く、この軸もスタンダードな1本。質感も高い。シュミットニブには2種類あり、こちらのニブにはFの刻印入り。実になめらかな書き味です。
【細字度:★☆☆☆☆】Fニブですが、中字。フロー、書き味は良い。
立川ピン製作所(タチカワ)
タチカワ T-3 Gペン (3本入り、定価:231円)
一番メジャーなGペン、MADE IN JAPAN。(写真の軸は、スタビロ製です)筆圧の強弱によりいろいろな線が書けますので、ボトルインクの試し書き用に使う。
【細字度:未評価】Gペンなので、細くも太くも書けます。
ヨーロッパ/アメリカのブランド
PARKER パーカー 21 (参考出展) (イギリス、定価:7,350円)
1970年の春にお祝いで貰った万年筆。キャップ部には、MADE IN U.S.A.の刻み。インクはパーカーのBBを入れ、一度も洗浄したこと無しで、今も現役で使用中。
【細字度:☆☆☆☆☆】ニブ表示がないので、線幅不明。硬くて中字ニブです。
BORGHINI ボルギーニ Transparent万年筆 V71 (イタリア、定価:945円)
イタリアの筆記具メーカー。カラフルなカラーと細身の軸で気分も爽快。ドイツのシュミット製ニブの供給を受け(オートと一緒)、書き味は、まずまず。
【細字度:★★☆☆☆】ニブ表示は無いが、中字に近い細字ってところ。カラーインクで楽しむペン。
SHEAFFER シェーファー ノンナンセンス F(細字) (アメリカ、定価:1,200円)
シェーファーと言えば、この特徴あるクリップと寸胴シルエットしか思い浮かばない。カジュアル万年筆の草分け的存在で一世を風靡したペン。
【細字度:★★☆☆☆】外国メーカーのFにしては、そこそこの細字が書ける。
Pelikan Pelikano Junior(ペリカン ペリカーノJr)(A) (ドイツ、定価:1,575円)
ドイツの学童向け万年筆。カラフルな半透明軸とカートリッジもキャラクターが書かれている。三角グリップは、右利き用と左利き用があり。ニブは、Aで中字程度の線幅。ニブを気にせず安心してガンガン書ける。
【細字度:★☆☆☆☆】はじめての万年筆なので、太目は仕方ないでしょ。
LAMY サファリ スケルトン L12 EF(極細) (ドイツ、定価:3,990円)
ラミーを代表するプロダクトとして世界中で高い人気を誇る。1980年から発売で、カラーも豊富。丈夫なABS樹脂、考えられたグリップ、大きなピアノ線のクリップなど、若者の定番万年筆。
【細字度:★★☆☆☆】EFながら、日本のM程度か。ペン先を立てて書くと細字にも書ける。
欧米以外のブランド (中国、台湾など)
KAIGELU カンガルー 太軸万年筆 K333-B (中国、定価:4,500円)
キングプロフィットの佇まい!贅沢な極太サイズ 正統派万年筆。ヤフオクで入手。DUKEやKAIGELUのコンバーターは、ヨーロッパ規格。
【細字度:☆☆☆☆☆】ニブの大きさ通り、ニブポイントも太い。対象外。
DUKE デューク ステンレスモデル D209銀 (中国、定価:3,570円)
中国最大のメーカー、 装飾が派手な高価な商品が多いことで知られる。ヤフオクで入手。
【細字度:☆☆☆☆☆】太い。対象外。
REGAL リーガル 502/503/97-507 (台湾、定価:不明)
ニブには18KGPと刻まれており、なかなか凝った装飾。ヤフオクで350〜400円で入手。マーブル調のブルー軸は、価格に見合わない美しい軸です。なかなかREGALは良い。
【細字度:★★☆☆☆】REGALのニブは滑るように書け、そこそこ細字が書けるので良い。
MonoMax誌 COACHとのコラボ万年筆 (雑誌付録、中国製)
軸は塗装ではなく、シールを巻いているような感じで美しい仕上げ。COACHファンにはお勧め。クリップなども質感は高いが、キャップの閉まりは良くなく、若干心配が残る。
【細字度:★☆☆☆☆】ニブ表記は無いが、線幅はやや太め。
GoodsPress誌 ライムグリーン万年筆 (雑誌付録、中国製)
細身でショートサイズ。軸カラーのライムグリーンが新鮮。おまけながらしっかりした造りになっている。
【細字度:★★☆☆☆】ニブ表記は無いが、このニブは結構細字で書きやすい。
DIME誌 HERO(英雄)スマート万年筆 (雑誌付録、中国製)
軸、キャップがアルミでストレートシルエット。HERO製ニブが付いている。
【細字度:☆☆☆☆☆】フローは良いが、なんせ太い。
comments
いつも楽しく拝見しています。
記事を読ませていただき、
自分用と、ちょっとした贈り物用に
PILOTコクーンを買いました。
いいですね。
記事、これからも
楽しみにしています。
matsuさん、こんにちは。
読者がいると、励みになります。ありがとうございます。
コクーンは、PILOTの銘軸になるんじゃないかなあ〜、と思うほど、よく出来ていますよね。きっと、満足していることと思います。
万年筆は、インク選びも楽しいので、是非、ご自身のお気に入りを探し当ててください。
はじめまして。
先月万年筆デビューを果たしたのですが、その際にこのページに大変お世話になりました。今も更新されるたびに、楽しく読ませていただいています。
僕は結局、ペリカーノJr.、プレラ色彩逢CM、コクーンFの順に、3本購入してしまいました。どれもすごく気に入っていますが、コクーンの書き味やデザインには心底惚れ込んでいます。
良いものに出会えました。
これからもいろんな記事を楽しみにしています!
nm15さん
万年筆デビュー! いい響きです。
素人ブログでも読んでくれる方がいらっしゃると思うと、つまらない事は書けないと肝に銘じました。
よい万年筆生活を送られるよう願っています。
カクノのFはどの程度でしょうか?
puu さん
カクノの記事は多くの方が書かれていると思うので、そちらを参考にしてください。
というより、実際に使ってみるのが一番です。
こんばんは。
細字、細軸の手帳用万年筆を探していて、この記事にたどり着き、カヴァリエの購入を決めました!
わかりやすくて本当に参考になりました。
他の記事もminiやカメラなどわたし好みの内容ばかりで楽しかったです。
またのぞかせていただきます。
ogawa さん
万年筆はボールペンのような手軽さはありませんが、使うほどに愛着が沸いてきます。
手帳は1年で交換ですが、万年筆は一生ものですので、末永く愛用してください。