今回は、私の持っているレンズの中でも最も古いレンズ、NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5です。S/Nから1960-67製造のものです。
千夜一夜物語から抜粋すると、
『このレンズの描写については定評があり、現在のレンズと比較しても何らひけをとらないものである。被写体の細部を克明に描ききる描写には、開放からナイフのような鋭さと力強さがある。
「シャープでかりっとしたコントラスト」というニッコールレンズのイメージは、あるいはこのレンズによってつくられたものなのかもしれない。』との寸評。
レトロフォーカス(Retrofocus:商品名)というこのレンズ、ギリギリまで大口径の前玉を使用しています。
こういうのが一眼レフカメラ・レンズって感じがします。
28mmでなく、2.8cm表記です。
それと、feet表示はなくメートル表記のみです。
とにかく、この黒とシルバーの筐体はかっこいい。
Nippon Kogaku Japanもいい。
いきなり室内で条件は悪いが、奥のキッチンのタイルの線まで、しっかりと写っています。
コーヒーサーバーか何かの、青色ランプも滲んでいない。
OLYMPUS E-PL1s with NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5
これは、ピント位置がどこにあるか試してみた。
中央辺りにピントを合わせているが、この写真を見る限り、今ひとつの描写。
開放F3.5で、1/125秒。ISO3200なのでデジカメ側(E-PL1sは2010年製)の性能ですね。
OLYMPUS E-PL1s with NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5
やはり屋外でチェックしてみないと、シャープなレンズかどうか判断しづらい。
クラシックミニの塗色のアーモンドグリーンは、見事に見た目通りの色に再現した。
この緑色は、これまでなかなか実物の色に写らなかったが、これは素晴らしい。
やはり、シャープという評判通り、カリっとした輪郭ですね。車が前面にくっきり浮き上がっているように見える。
F5.6、1/1250秒、ISO200、EV-0.3です。
OLYMPUS E-PL1s with NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5
こちらは、手前の子供ににピントを合わせた。
誰かを待っているのでしょうか、少し待ちくたびれた様子がいい感じ。
手前の縦格子のフェンスも、奥の中央分離帯の縦格子もきっちりと再現している。
夕方のオレンジ色の色合いもグッド。
F5.6、1/320秒、ISO200、EV-0.3です。
OLYMPUS E-PL1s with NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5
一番奥のトラックにピントを合わせた。
洗車後のボディの艶、フロントガラスに映る影がよく再現されている。
空も空気が澄んできたのか、グラデーションも忠実です。
こちらもF5.6、1/1000秒、ISO200、EV-0.3です。
OLYMPUS E-PL1s with NIKKOR-H Auto 2.8cm F3.5
今回は、陽の高い日中ではなかったものの、評判通りのシャープさは見せてくれた。
特に色再現性は自然色に忠実で、素晴らしい。他の方の書き込みでは、初代のニッコールオートはソフトな色合いが多いようだが、このレンズは彩度も高く、シャープで好みです。
これから出番が増えそうです。
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